ものを書くこと
ものを書くのが好きだった。
幼稚園児にして、小説家。
たくさん読み聞かせをしてもらって、たくさん本を読むようになって。
作文は、お手の物。
読書感想文は、ちょっとつまらない。
小さな頃、人間修行中のわたしと、離れて暮らす母との文通。
手紙が来るたびに、思い出して寂しくなって。
ひとりでどこでも、まさしくどこでもでかける旅人になってからは、実家にポストカードを送ることにロマンを感じるようになった。
この歩みをどこかに記しておきたいと、学生時代にブログを書いていた頃は、どこかにおもしろいことないかな、といつも考えていた。旅日記を書いては、自分の思考と感情を発見していた。
そしてそして、でもはい、おしまい。みんな、たいてい大人になると、そうだ。
風変わりな父に反発し、ニッポンの正しいカイシャインになり早数年、立派なアラサー。
私のサラリーマンの数年は瞬く間に過ぎ、いつしか自分がなにを感じ考えているのか、何が好きなのか、なんにもわからなくなってしまった。
それでも私を見ているもう1人の私は、おーい、おーい、おーい!と言っている。
書くことをやめたからか、なんなのか、わからないけれど、私はもう一度、自分の意識に気がつけたらなと思う。