生米プロジェクト

会社退職→結婚→夫は日本に置いてヨーロッパに8ヶ月→夫と東京生活→2人でイギリスに引越し

Embercombe:同期ボランティア紹介

 9月末から始まったEmbercombeでのボランティアですが、同時期に3ヶ月のプログラムを始めた他7人のボランティアがいます。ここへ来て2ヶ月しか経っていませんが、毎日のように顔をあわせる彼らとは日々いろんなものを共有しています。

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8人の同期たち

  • シオ:46歳、男。元ナース。家族の崩壊などもあったりしてか、あまりコミュニケーションはうまくない。なんと言ったらいいか、鬱というか優しく不器用な男。皿洗いをさせたら誰も止められない。
  • ケイト:ゲルメイト。個人的には1番好き。バーで歌っていたり、アメリカやカナダで働いていた。明るく優しいお姉ちゃん。35歳だけども、小柄でいつも賑やかだからか欧米人にしては珍しく若く見える。
  • ケリー:マイペース。後日書くかもしれないけれど、このマイペースさのためにバトルに発展した(現在停戦中)。自称フォトグラファーだが、活動状況については不明。7月にEmbercombeでボランティアを始めた彼氏のベンのところにやってくる形でボランティアに参加。そのためゲルではなくベンとともにキャンピングカーに住んでいる。31歳、女。
  • ディッテ:デンマーク人、30歳、女。ソーシャルワーカーの勉強をしたけれど、なんか違うな、と思ってここへ来た。自分の感情にとても正直で、喜怒哀楽がとても激しい。Embercombeに来る前に彼氏ができ、当初とても不安定で、それこそとんでもない子だったが、最近は落ち着いている。 
  • ルイ:8年間の兵役中は、イラクへの2回の派兵経験あり。アフガニスタンへ行くことになりそうになった時に除隊を申し出。退役後、精神的に不安定になり、アルコール&ドラッグ中毒になってしまった模様。現在は中毒症状などからは脱しているが、今もPTSDと思われる症状に苦しんでいる。タトゥーだらけのいかついヤツだけれど、ここへ来る前は子供達向けのボランティア活動に従事していたりと、基本的には明るく楽しい男。もうすぐ8歳になる息子がいる。ケイトのことが好きだが、やんわり断られている。(私はどちらとも親しく、どちらの話も聞いていて、私は2人とも大好きだが、ルイにはなんとも言えない。)29歳、男。

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  • ジョス:29歳、男。ネイティブアメリカン文化に傾倒していて、思った以上に入れ込んでいる。明るかったり自分の世界に入っていったり、壁を感じることが多かった。Embercombeにかける情熱もものすごく高く、Embercombeでの3ヶ月プログラム終了後、滞在延長させてもらうために自分をアピールすべく、時間外でワークショップを開催したりと、ギラギラしていた。しかし、2名の延長枠に対し彼含む3名が応募。結局ルイとシオにその座を奪われてしまった(正直二人とも心身に問題を抱えていたので、この決定にはみんな少し驚いた)。彼がえらいのはここからで、それでも変わらずみんなに時間外、むしろ以前より人当たりがよくなった。
  • キロラン:23歳、女。文学部を卒業して、ちょっとゆっくりするためにここに来た。本を読んだり草木でツリーを作ったり、絵本の中から出て来たのかと思うような可憐さを持ち合わせつつも、「高校の頃はヌードにハマってて、授業でやって見せたのよ!」などという肝の据わったロンドンっ子。同期の中では1番若いけれどもたぶん1番落ち着いている。というより少し皮肉っぽい。こちらへ来た当初は嫌でしょうがなかったのだと思うが、最近は笑顔も多くなった。
  • わたし:日本人。日本の会社に勤めていたけれど、いろいろ目的はあるらしいが、つまるところ日本を出たくなり、ネットで見つけたEmbercombeに行こうとイギリスまでいきなり飛んで来た。下手くそな英語ながらもなんとか頑張っている。日本に夫を置いて来たらしいが、夫婦共々どうなっているのだとみんなからの疑問を買っている。28歳、女。

普段の様子

今のゲルで一緒なのはケイト、ディッテ、キロランです。ディッテは10時半にはたいていベッドに入ってしまい、さらに寝るときは寒いぐらいの方がいいということで、夜型のケイトと私(といってもみんなほぼ12時前には寝る)と生活時間が合わず、さらに彼女が寝静まろうかという時に薪ストーブに火をつけようものなら不機嫌な寝返りの声が聞かれます。

彼女としては、10時頃には火を止めて、寝床につきたいぐらいなのだそうで、これについて彼女から目をむくような勢いで「25度なんかになったら、私苦しくて死ぬの!寒かったらたくさん着ればいいけど、暑くて死にそうなのはどうにもならないでしょ!」と訴えられましたが(体格もいいので迫力もある)、私たち3人としても何が楽しくて零度を下回ろうかというゲルで寒さに震えながら寝られようか、というところなので、これについては「でも寝付けないし、あなたは先に寝るからいいけど、、」と勇気を振り絞って弁明しました。25度で人は死なないよ、とはとても言えなかったけれど。

ということもあり、ディッテは隙あらば一人で寝られる場所を探し回るようになったり、各自訪問者があったりと、最近はあまり4人揃いません。このところディッテはプライベートも落ち着いて来ているからか、薪ストーブで失敗して激暑にならなければ4人とも気持ちよく寝られるようになりました。

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私が普段よく話すのはケイト、ルイ、シオです。ジョスも気が合ってよく話していたのですが、途中から宗教がかっていたり、周囲への強い自己アピールなど、極端なところがしんどいなと思うようになってしまいました。ただ、延長ボランティアの話がうまくいかなくなってから、彼も少し穏やかになったような気がしています。本来はモチベーションが高く真面目な才能溢れる人だと思います。

休みの日は10kmほど離れたExeterの街に誰かの車に乗せてもらって買い物に行ったり、この秋はDartmoorという自然公園にたくさんキノコ狩りに出かけました。日本と違ってあまり山地はなく、だだっ広い草原に放牧された家畜がたくさんいる、というのがこちらの景色です。

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他にも以前から滞在している先輩ボランティアや有給スタッフもいますが、同時期に始めたこの8人とは特に笑いあり涙あり、喜怒哀楽忙しい毎日です。会社員になってから、大学のときみたいに友達ってなかなかできないなあ、という話をしたことがあるのですが、そのとき言われたのが「それはきっと、一緒に何かをするような、同じ濃い時間を過ごさないと手に入らないよ」と言われたのを覚えていますが、久々にまたこの先も友達でいられるような人が増えたことがうれしいです。

実はこの記事はここへ来て2週間ほど経った頃に書き始めてそのまま下書き状態にしていたのでした。今それを開いてみると、当時は「ちょっと掴めない」なんて書いていたのですが、この2ヶ月でみんなのこともよくわかるようになったなとも思いました。一方で、短期間で得た印象もそのままだったりと、それはそれでその人を知る上でもまた面白いものです。

http://embercombe.org/