生米プロジェクト

会社退職→結婚→夫は日本に置いてヨーロッパに8ヶ月→夫と東京生活→2人でイギリスに引越し

Embercombeとシューマッハカレッジを比較してわかったこと

先週は以前にも書いた、シューマッハカレッジの「Becoming Indigenous」というコースの学生たちが、Embercombeの「Journey」というコースを受講するためにまたやって来ていました。3ヶ月の彼らのコースもあと残すところわずかのようで、このJourneyというプログラムは、そんな彼らが今後歩む道を探すための、総まとめのようなものです。

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Embercombeとシューマッハカレッジは、自然との共生、パーマカルチャーというところで共通点があり、地理的に近いことからもよく交流があります。プログラムの受け入れはもちろんですが、同僚ボランティアの中にもここでボランティアしていたという人もいますし、Embercombeのボランティアをした後にシューマッハに行ったという人もいます。Embercombeに来る前に日本で日本でも有名になってきていますし、同期ボランティアのジョスも1月からシューマッハでボランティアをするから見に行くということで、私も一緒に行って来ました。

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リッチに自然と学びを深めるシューマッハ

とても綺麗なところで、Embercombeのように自然と共生しながら生活し、かつ学ぶところなんだなと思いました。こじんまりとした学校で、大学院大学ということもあるかもしれませんが、とても静かな時間が流れ、学生層も高めだからか落ち着きがあるなという印象でした。もちろん若い人もいましたが、30代〜50代くらいの人で、本当にこれが勉強したい!と思って来ているんだろうなという人が多く見られました。

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あとは、、やっぱり施設などを見ていると、Embercombeより断然お金があるなということです!!ご飯もベジタリアンで、校内で育てている野菜を使用してはいますが、たくさん買ってもいるなという感じ。おやつにはナッツとチョコチップのクッキーがあって、これは毎日らしい。ナッツとチョコチップだなんて、Emberbcombeではあり得ないことだ!ゴージャス。もちろん高い学費を払っているのであまりに粗末でも納得できないかと思うので、当然かもしれませんが、Embercombe人の私にはとってもうらやましく思えたのでした。。

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エネルギーのぶつかり合うEmbercocmbe

そんなシューマッハカレッジを見た私たちでしたが、やっぱりというかなんというか、これは行く前からなんとなくわかっていたことですが、Embercombeとシューマッハ、似ているようなこの2つの団体ですが、私が求めているのはEmbercombeなのだなということがはっきりした見学でした。

シューマッハ大学院大学ということもあり、学問を学ぶという場所であるから当然ですが、やっぱりきちんとした場所です。一方でEmbercombeはというと、子どもがたくさん来るし、未完成で発展途上でカオスです。そしてこれが私の大事にしたいものなんだろうなと思います。これはまだ自分の年齢もあるかもしれませんが、もう少し自分は強いエネルギーがあるところに惹かれます。元々自然や農業というところが私の関心ではなかったので、これはそんなに驚くべきことでもないのですが、よりはっきりと自分の好きなことがわかったのがよかったです。

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こういう話をEmbercombeにしたら、私も似たようなことを思った、と言われました。そしてその人曰く、シュタイナーの「精神(Spirit)、心(Soul)、体(Body)」という概念のうち、精神と心を重視しているのがシューマッハで、心と体を重視しているのがEmberombeだと思うわ、と言っていて、なるほどなと思いました。

またある人は、「Embercombeのいいところはそのアマチュアイズムだと思うんだよね。誰も専門家なんていなくて、すっごく何かに秀でた人もいるわけでもなくて、でもだからこそみんなが気軽に自由にいろんなことに取り組めて、自分もやってみようかな、って思ってやってみれる環境があることだと思う。」と言っていました。私もここへ来て、みんなほどではないかもしれませんが、いろんなことにチャレンジできました。下の写真はクワイアーですが、大学にいた頃はクワイアーって素敵女子だけのものな気がして、できませんでした。でもこちらではおっさんでもキーが外れていても、行きたい時だけでも全く構わなくて、みんなでただただ楽しく歌っています。

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はてさて、Embercombeを訪れていたBecoming Indigenousの人たちのプログラムの話に戻りますが、今回の夕食は彼らのコンセプトに合わせ、ルーツを辿るを意識したメニューとなりました。1日目は旧石器時代、2日目は新石器時代、3日目はローマ帝国時代、4日目は植民地時代後、5日目は未来の食事…ということでした。

この取り組み、キッチン担当だった人が面白いからということで昨年のBecoming Indigenousの人がJourneyでやってきたときに思いついてやってみたらしいのですが、これが好評を博して今年もやってくれとリクエストされたそうです。こんな風に自分のアイデアが気楽に形になると、またいろんなことをやってみたくなる、そんな気持ちになるだろうなと思います。

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今回のメニューどうしようかなあ、とキッチン担当の人がボヤいていました。そこで私は、「未来の食事はジョークと啓発を兼ねて、タブレットかグミのお菓子でもお皿に乗せて最初に出してみたら?」と言ってみたところこれが見事採用されました!

「100年後の未来、人類はすべての栄養素を含むピルの開発に成功しました。緑が健康野菜、赤がジューシービーフ、青がブルーベリーアイスクリームです。」とのメニュー説明から始まったディナーはなかなか好評でした。私もまたひとつ、アイデアを考えてやってみるって楽しい!という経験をさせてもらいました。

すごいオーガニック料理の専門家がいるわけではないけれど、こういうところがEmbercombeの魅力であり、こういうことの積み重ねが「人を育てる」なのだろうなと思いました。