生米プロジェクト

会社退職→結婚→夫は日本に置いてヨーロッパに8ヶ月→夫と東京生活→2人でイギリスに引越し

音楽の都の民を怒らせた指揮者はどうなるか

先日、今回のプラハ滞在で最後のオーケストラのコンサートに行きました。公開リハなので、500円程ですが、ほぼ全曲通しで聴けます。これぞプラハのリハーサル公演。なんと素晴らしい!

 

※Final Rehearsal、と書いてあるものがこれにあたります。

http://www.ceskafilharmonie.cz/en/concerts/whats-on/

 

ところが1ヶ月前に初めて行ったときは、この文化を知らなかった私、だけでなくリハ用指揮者見習い(?)の若きイケメンスウェーデン人。この後、私はとんでもないものを目にすることに。。

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平日の朝からだったので、ウキウキしたご老人がたくさん。しかし始まるやいなや、指揮者は演奏を中断し、ここはこう、などと次々注文してはまた曲の途中から始め、止めての繰り返し。これに対し、ざわつき始めた会場、開始40分。
ついに1人のおっさんが立ち上がりました。
おっさん「なんで曲を全部演奏せんのや!!」
指揮者「…(無視)」
しばらくして。
 
おっさん「お前な、試験じゃないんやから、観客おんねんからちゃんと聴かせろや!」
老人ら「ブーーーーーーーーーーーー!ブーーーーーーー!」
指揮者「…(無視)」
関係者「これはリハですから、皆さん、ええ、まあまあ」
コンマス「皆さん落ち着いて。もう少し長めに演奏しますから」
 
なかなかの根性でぶつ切り演奏を続ける指揮者。
老人ら「ブーーーーーブーーーーーー!ブーーーーーーー!」
ダンダンダンダン!!!!!!!!!!!と演奏&指示中なのに集団足踏み。
 
たまりかねた指揮者。
指揮者「えー、皆さん、これはリハです。本番のための場なんです(英語)」
老人ら「チェコ語しゃべれやーーーーーーーーーーーーブーーーーーーー!!!」
ダンダンダンダン!!!!!!!!!!!超お行儀悪い民たち。
 
このカオスのまま休憩に入り、帰る人ちらほら。私ハラハラ。しかし、休憩の間に助言されたのか、後半はほぼ通して演奏され、平和に終わりました。
 
状況を通訳してくれたアメリカ人のおばちゃんに
「あんた、今日はいいもの見たわね!」とウインクされました。
 
そんなこんなから、1ヶ月経ったこの日。聴かせるリハ。苦い経験を乗り越えた彼の広く薄い背中を再び見ながら、私のプラハ生活の終わりにも思いを馳せるのでした。

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