生米プロジェクト

会社退職→結婚→夫は日本に置いてヨーロッパに8ヶ月→夫と東京生活→2人でイギリスに引越し

デンマークの全寮制学校、EfterskoleでのWorkaway

今、デンマークの「Efterskole」という、日本の中3〜高1にあたる15~17歳の生徒が通う全寮制の私立学校でお手伝いしています。この国の生徒の20〜30%が進学し、中3の1年間か、中学卒業後、高校入学前に通うそうです。

普通の授業もありますが、スポーツや写真、職業研修などもあり、各学校毎に重視するテーマがあります。今いる学校のテーマは、「多様性を認める」と「骨太な人間になる」というもののよう。

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生徒は125名、教職員40名、大多数がデンマーク人で、授業はデンマーク語で行われます。

これは、先生絵のの写真。ここの学校では「Family System」というのを採用していて、2人の先生が8人ずつの生徒の担当になっていて、そのFamilyの中でお父さん、お母さんと呼ばれて、いつも同じテーブルで食事しています。また、各先生たちは寮も分担して担当しています。写真を撮ってもいいかと聞くと、先生は「いいけど…あの子たち、いつまで経っても髪描いてくんないんだから!恥ずかしい!」と言いつつも、とっても慕われているのが伝わってきました。

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今は、私と同じような形でイタリア人、シンガポール人、ドイツ人、ブラジル人と一緒にWork Exchange滞在しています。ここでは食事と住居の代わりに、週2回午前中のキッチン補助は求められますが、それ以外は全くの自由。好きな授業に参加して指導したり一緒に勉強したり、授業後や週末に生徒と触れ合うことを期待されるものの、強制ではありません。

授業に参加したいときは先生に一声かけるだけで、大体の場合はいどうぞ〜と言ってくれます。

生徒の生活も同じく自由で、今は5月に進学に関係する国の統一試験を控えていますが、ハイキングに出かけたり、イベントを開催したりととても楽しそう。全くと言っていいほど知識重視ではなく、宿題タイムも毎日1時間だけありますが、それだけです。

こちらの写真は先日料理対決イベントで生徒たちが作ったもの。審査員をさせてもらいました。

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知識偏重教育育ちの、お堅いイタリア人の同僚は「こんなのありえない!生徒がキッチン担当で1週間授業に出ない!?先生を名前で読んで、テーブルに足を投げ出して!ドイツ語は活用も覚えてないし授業も適当すぎる!!学びに知識なしで何ができるって言うんだ!!」と理解不能で常にぼやいています。

噂に違わぬ北欧教育、想像以上で日々びっくり。

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かと思えばある日、先生から聞いたこと。

「この教育が緩いと思われることもわかってる。生徒に強制しないことも、授業で彼らが暗記をしないことも。でも例えば今囲んでいるこの焚き火は、本来ここでやるべきでないの。私は最初ダメと言ったけど、生徒たちはやりたいと言った。そこから芝生を傷つけるからとか、ここは本来炭が残っちゃいけないとか、そういう理由を説明したら、彼らは芝生に傷をつけない方法を考えて、終わったら片付けると約束した。だから許可したの。とっても時間がかかるけど、生徒と話をして、考えさせて、信用する。これが私たちの考える教育なの」と。

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知識、マナー、忍耐、努力?北欧の教育は最近日本でも話題で私も興味があり、どう言うものか記事を読んだりしたこともありますが、実際目にすると、日本的教育を受けた私にはかなり極端に映ります。デンマークの普通教育よりもさらに先進的なものだと思います。それでも今見た限りでは、私たちとはまるで違う人間になりそうなほどの教育アプローチの違いと、それをやってのけるこの国の豊かさと寛容さ、そして覚悟のようなものを感じます。

考えるべき点が多々あり、これを観察するための自分の知識とものさしが全然足りない気がしています。理解を深めるためにも、また気づいた点や疑問点があれば教えてください。