生米プロジェクト

会社退職→結婚→夫は日本に置いてヨーロッパに8ヶ月→夫と東京生活→2人でイギリスに引越し

デンマークの全寮制学校、EfterskoleでのWorkaway

今、デンマークの「Efterskole」という、日本の中3〜高1にあたる15~17歳の生徒が通う全寮制の私立学校でお手伝いしています。この国の生徒の20〜30%が進学し、中3の1年間か、中学卒業後、高校入学前に通うそうです。

普通の授業もありますが、スポーツや写真、職業研修などもあり、各学校毎に重視するテーマがあります。今いる学校のテーマは、「多様性を認める」と「骨太な人間になる」というもののよう。

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生徒は125名、教職員40名、大多数がデンマーク人で、授業はデンマーク語で行われます。

これは、先生絵のの写真。ここの学校では「Family System」というのを採用していて、2人の先生が8人ずつの生徒の担当になっていて、そのFamilyの中でお父さん、お母さんと呼ばれて、いつも同じテーブルで食事しています。また、各先生たちは寮も分担して担当しています。写真を撮ってもいいかと聞くと、先生は「いいけど…あの子たち、いつまで経っても髪描いてくんないんだから!恥ずかしい!」と言いつつも、とっても慕われているのが伝わってきました。

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今は、私と同じような形でイタリア人、シンガポール人、ドイツ人、ブラジル人と一緒にWork Exchange滞在しています。ここでは食事と住居の代わりに、週2回午前中のキッチン補助は求められますが、それ以外は全くの自由。好きな授業に参加して指導したり一緒に勉強したり、授業後や週末に生徒と触れ合うことを期待されるものの、強制ではありません。

授業に参加したいときは先生に一声かけるだけで、大体の場合はいどうぞ〜と言ってくれます。

生徒の生活も同じく自由で、今は5月に進学に関係する国の統一試験を控えていますが、ハイキングに出かけたり、イベントを開催したりととても楽しそう。全くと言っていいほど知識重視ではなく、宿題タイムも毎日1時間だけありますが、それだけです。

こちらの写真は先日料理対決イベントで生徒たちが作ったもの。審査員をさせてもらいました。

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知識偏重教育育ちの、お堅いイタリア人の同僚は「こんなのありえない!生徒がキッチン担当で1週間授業に出ない!?先生を名前で読んで、テーブルに足を投げ出して!ドイツ語は活用も覚えてないし授業も適当すぎる!!学びに知識なしで何ができるって言うんだ!!」と理解不能で常にぼやいています。

噂に違わぬ北欧教育、想像以上で日々びっくり。

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かと思えばある日、先生から聞いたこと。

「この教育が緩いと思われることもわかってる。生徒に強制しないことも、授業で彼らが暗記をしないことも。でも例えば今囲んでいるこの焚き火は、本来ここでやるべきでないの。私は最初ダメと言ったけど、生徒たちはやりたいと言った。そこから芝生を傷つけるからとか、ここは本来炭が残っちゃいけないとか、そういう理由を説明したら、彼らは芝生に傷をつけない方法を考えて、終わったら片付けると約束した。だから許可したの。とっても時間がかかるけど、生徒と話をして、考えさせて、信用する。これが私たちの考える教育なの」と。

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知識、マナー、忍耐、努力?北欧の教育は最近日本でも話題で私も興味があり、どう言うものか記事を読んだりしたこともありますが、実際目にすると、日本的教育を受けた私にはかなり極端に映ります。デンマークの普通教育よりもさらに先進的なものだと思います。それでも今見た限りでは、私たちとはまるで違う人間になりそうなほどの教育アプローチの違いと、それをやってのけるこの国の豊かさと寛容さ、そして覚悟のようなものを感じます。

考えるべき点が多々あり、これを観察するための自分の知識とものさしが全然足りない気がしています。理解を深めるためにも、また気づいた点や疑問点があれば教えてください。

プラハ生活総括

昨日、プラハから1日かけて移動して、デンマークにやってきました。1月からのまさに「行く」、「逃げる」、「去る」ような3月までの3ヶ月間の滞在も終わりました。プラハはなんだかんだ、街はとっても好きでした。この滞在でよかったことベスト3は下記の通りです。

①大家のエレナさんと犬猫との時間

プラハで映画の撮影に参加した

③いろんな形でアートに触れた

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①大家のエレナさんと犬猫との時間

普段の家でのお茶や食事に外出等、たくさん一緒にいさせてもらいました。お姉さんのようで、話は尽きず、でもいい距離感もあり心地よく、また素敵な生き方に触れました。あと、猫好きの気持ちが抑えられなくなり、落ち着いたら絶対に猫を飼うという決意を新たにしました。

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プラハで映画の撮影に参加した

アメリカ映画にて銀幕デビューを飾ることになりました。一部日本が舞台の映画ですが、日本人の超有名俳優さんもいて、ただの背景役エキストラなのに髪も衣装もかなり本格的でいい経験になりました。ただ、突っ込みどころ満載で、どんな映画になるのか楽しみです。

 

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③いろんな形でアートに触れた

ざっくりで、しかも時間もかけた割にこれが3番目かと言われそうですが、印象ってのはどぎつい順に残ると思うので、良しとします。最近海外にいても新鮮味に欠けていたのですが、今回美大卒の方々と共に改めてヨーロッパを見て、また違ったおもしろさや素敵さを発見できました。 f:id:hikapoo:20170405182015j:plain

 

プラハが終わってその次は…

今はデンマークの田舎のHirtshalsというところにいます。日本で言うと網走くらいな感覚の町かもしれません。こちらの全寮制の学校で1〜2ヶ月お手伝いする予定ですが、とてもおもしろそうです。。同じ写真をFacebookに投稿したら、友人に「陸路ってチョイスがあなたらしいわ」、と言われました。飛行機も検討しましたが乗り継ぎがあるのとあまり安くなかったので、夜行バスと電車という相変わらずな感じの旅程でしたが、元気で何よりということで。。f:id:hikapoo:20170405221742j:plain

アトリエインターン振り返り

3月22日、でプラハでのインターンが終わりました。仕事の話は心情的に書きづらかったのですが、良くも悪くもいろいろありました。これまでアート業界とはほとんど接点がなかったのですが、今回2ヶ月ほどプラハでアーティストの方やインンターンの方などの話を聞いていく中で、いろいろ発見がありました。

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1. スポンサーGET業務
アーティストに対し、企業スポンサーを依頼し契約締結する作業。2ヶ月半で、チェコの会社1社だけだったのを、日本の会社に依頼して、全部で6社になりました。インターン期間が終わるので後任に引き継ぎましたが、あとプラス3社、合意のところまでやってきました。

自分で言うのもなんですが、なかなかいい仕事したんじゃないかなーと思います。ただ、この結果についてはアーティスト実績と提案内容も理由でしょうが、他の人がやってないことをやる&ハードルが低いことは大事だということなんだろうなと思いました。中小企業からしたら、多少の資金的余裕はあってもCSRやPRまでなかなか頭が回らない中、このような提案をされたらまあやってみてもいいかなと思うのかもしれません。

大変でしたがいい経験になりました。

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メーカー名は控えますが、私がいる間にとある有名メーカーさんから届いたテーブルいっぱいのスポンサー製品。ちょっと嬉しい気分になりますね。私も記念にひとついただきました。

 

2. 制作業務
最初は上記のPCカリカリ作業が多かったのですが、せっかくアトリエに来たし、というわけで制作もしていました。PC作業も制作も地味な作業の積み重ねですが、実際手を動かすのは楽しかったです。

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3. 雑感
今回の滞在を通じて、好きなことをしながら生活を成り立たせる方法をまた学んだように思います。

まず、アーティストと言ってもお金がないのは日本でも海外でも同じではないかと思います。実際に、今私がいたところのアーティストの方も、とってもビンボーでした。それでも、ヨーロッパで活躍するアーティストなんてすごいんじゃないの?と思うかもしれませんが、芸術的才能も多少は必要ですが、続けて行くためにはそれ以上にいろんな工夫が必要なんだろうなと思います。決して綺麗事ばかりではないし、私が同じようにしたいかと言われればそうも言えませんが、その工夫を垣間見れたのが良かったです。

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今回はプラハにいるにもかかわらず同僚も芸術家さんも全員日本人という環境だったのですが、日本人only集団でいるのは組織上ほんとによくないのかもと思ったりもしました。日本人って真面目でトラブルもできる限り避けようとする人種だと思いますが、やっぱり話し合いなどはうまくないからか、海外にいても日本でありがちなような問題が多々発生しました。UKからのチェコ暮らしだったので、物事の進め方や会話の中身がかなり違うなということを日々感じました。日本人が悪いというわけではないのですが。

あとは、今回自営業のような芸術家さんと働く中で、人の上に立つのは大変、と改めて思いました。と同時に、生意気にも自分の方がうまくできるんじゃないかとか、そんなことは恐れ多くて1人でいる方がいいのかなとか、そんなことを考えていました。私は父がわがままで世間知らずの自営業だったので、そうなるまいと会社に入って一応は世間常識に触れて来たと思いますが、年齢的なものなのか、性格なのか、そろそろマネジメントするような機会も欲しいなーという今日この頃です。

音楽の都の民を怒らせた指揮者はどうなるか

先日、今回のプラハ滞在で最後のオーケストラのコンサートに行きました。公開リハなので、500円程ですが、ほぼ全曲通しで聴けます。これぞプラハのリハーサル公演。なんと素晴らしい!

 

※Final Rehearsal、と書いてあるものがこれにあたります。

http://www.ceskafilharmonie.cz/en/concerts/whats-on/

 

ところが1ヶ月前に初めて行ったときは、この文化を知らなかった私、だけでなくリハ用指揮者見習い(?)の若きイケメンスウェーデン人。この後、私はとんでもないものを目にすることに。。

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平日の朝からだったので、ウキウキしたご老人がたくさん。しかし始まるやいなや、指揮者は演奏を中断し、ここはこう、などと次々注文してはまた曲の途中から始め、止めての繰り返し。これに対し、ざわつき始めた会場、開始40分。
ついに1人のおっさんが立ち上がりました。
おっさん「なんで曲を全部演奏せんのや!!」
指揮者「…(無視)」
しばらくして。
 
おっさん「お前な、試験じゃないんやから、観客おんねんからちゃんと聴かせろや!」
老人ら「ブーーーーーーーーーーーー!ブーーーーーーー!」
指揮者「…(無視)」
関係者「これはリハですから、皆さん、ええ、まあまあ」
コンマス「皆さん落ち着いて。もう少し長めに演奏しますから」
 
なかなかの根性でぶつ切り演奏を続ける指揮者。
老人ら「ブーーーーーブーーーーーー!ブーーーーーーー!」
ダンダンダンダン!!!!!!!!!!!と演奏&指示中なのに集団足踏み。
 
たまりかねた指揮者。
指揮者「えー、皆さん、これはリハです。本番のための場なんです(英語)」
老人ら「チェコ語しゃべれやーーーーーーーーーーーーブーーーーーーー!!!」
ダンダンダンダン!!!!!!!!!!!超お行儀悪い民たち。
 
このカオスのまま休憩に入り、帰る人ちらほら。私ハラハラ。しかし、休憩の間に助言されたのか、後半はほぼ通して演奏され、平和に終わりました。
 
状況を通訳してくれたアメリカ人のおばちゃんに
「あんた、今日はいいもの見たわね!」とウインクされました。
 
そんなこんなから、1ヶ月経ったこの日。聴かせるリハ。苦い経験を乗り越えた彼の広く薄い背中を再び見ながら、私のプラハ生活の終わりにも思いを馳せるのでした。

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国際女性デーに思う、女性の生き方とこれからと

Happy International Women's Dayだから、と先日大家のエレナさんから小さなお花をいただきました。そんなのあるの?と聞くと、近年彼女の母国ロシアや、フランスなどでも結構なイベントになってきているとのこと。Facebookなどを見てみると、ネット上でもいろいろ記事になっていました。

japan.unwomen.org

彼女は週3日の大学勤務の他、残りは大学の仕事をしていたり、移民支援のNGO団体に所属して活動しています。先日はスリランカまで移民保健に関する学会に行ったりと、おっとりしつつもバリバリ働いています。なので、こういったイベントにも感度が高いのでしょう。そんなエレナさんとは暇があればお茶したり、ご飯を食べたり出かけたりしています。今日はそんなエレナさんのお話です。f:id:hikapoo:20170310061449j:plain

エレナさんとの出会い

私がプラハに来た頃、住居のアテはあったのですが、最初の数泊は別のところに泊まらないといけないことになってしまったのでAirbnbで良さそうなところを探したところ、職場近くで評判が良かったエレナさん宅に2泊ほどお世話になることにしました。

その後、エレナさんにはさよならをして予定していた住居に向かったのですが、急遽そこに住めないことになってしまい、慌てて住まいを探すことになってしまいました。そこで思い立ったのがエレナさん。ダメ元で事情を説明し、月極めで滞在させてくれないか交渉したところ快諾してもらえたので、今となっては笑い話ですが、お別れから数日後にハローアゲイン!と戻って来ました。

以来、暇があれば一緒に食事したり出かけたりする、お姉さんのような存在です。

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エレナさんの息子の驚きの家庭環境

彼女にはとっても紳士で賢い13歳のイケメン息子がいるのですが、普段彼は学校が近いのと猫アレルギー(笑)ということもあり、エレナさんの元夫、お父さんのところで暮らしています。

現在お父さんは再婚しているのですが、なんと義理のお母さんというのが、元々エレナさんの親友。これには私もびっくりしてしまったのですが、別れたけど、元夫もいい人だし、親友にも勧めたのよ〜と笑顔で話していました。

つまり、息子からすれば、離婚した両親に、母の親友が今の継母ということになり、ともすれば世間様から非難GOGO!状態なのですが、今も結構な頻度で息子と元夫と親友(元夫の妻)とよく遊びに行ったり元夫もいる家に泊まりに行ったりしています。先日親友の方と息子とエレナさんと4人でコンサートに行ったときも、とても和やかでした。息子もとってもまっすぐ育っています。

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エレナさん、アゼルバイジャンへの逃避行

エレナさんは、その昔息子がまだ小さかった頃の話をしてくれたこともありました。当時まだロシアにいたエレナさん。その頃生活面であらゆることから追われてしまっていたそうなのですが、思い切って息子を夫に預け、誰も追ってこれない場所に逃れようということで、知り合いを頼ってアゼルバイジャンに2週間ほど雲隠れしてしまったこともあるそうです。

これにはびっくりでしたが、決して子育てを疎かにするようなタイプの人ではなく、とても優しく優秀な人なので、きっと当時は本当にいっぱいいっぱいになったんだろうなあという気がしています。にしても国境を越えて逃亡、旧ソ連内だからハードル低いのかな…

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女性とキャリア

時にお茶、時にロシア人らしくお酒を飲みながら、エレナさんとはいろんな話をしています。私もこの先のことを考えると、漠然とした不安もたくさんあるのですが、育児の傍博士号まで取得したエレナさん。大丈夫、なんとかなるわよ、と言うその笑顔を見ると、そ、そんなもんかなあ〜と妙に勇気づけられています。。

 

というわけで、仕事なんて結婚なんて子どもなんて、という話ではなくて、世の中悩ましいこと盛りだくさんですが、自分とその周りの人がハッピーなら、ちょっと周りと違っても気にせず今の状態を明るく楽しく過ごす方がいいんだろうな、と思ったWomen's Dayでした。

プラハ:書きたいことがある環境に身を置く

自分の経験・思考に対してのアウトプット。例えばSNSへの投稿。大学の頃からこの時代の若者なりに、ほどほどに付き合ってきたと思います。しかしこの投稿への自分のモチベーションの変遷を見て、考えました。

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私は2016年8月に会社を辞めて、9月末からイギリスのEmbercombeで3ヶ月過ごし、年末年始を挟み、1月からプラハにいます。日本を離れて5ヶ月ほどになります。

普通の会社員生活から、こうしたイレギュラー生活を送るにあたり、インターネットの世界の住人の夫からは「せっかくだからもっといろいろアウトプットしたら?」と言われ、このブログもきちんと書きだすようになり、以来意識的にFacebookも投稿を増やしていきました。

書くなら、おもしろいことを書きたい

私は書くことが好きな方だと思います。大学の頃も、共同ブログを開設してみたり、当時はmixiが流行っていたので日記を書き、Facebookにもぽちぽち投稿していました。とはいえ昔からあまり「飲み会した♫」とか、「これ食べた♡」なんていう些細な日常を共有するのは好きではなく、「こんなすごいものを見た!こんなことおもしろいことをした!」だとか「とっても感動した、考えさせられた」というふうに、例えばどうせ食べ物についてなら、「ジビエさばいて調理したぜ」とか「こんなゲテモノを召し上がったのよ」ぐらいでないと、自分の記録としても閲覧する人にとってもつまらないと思っていました。(他人がする分には、特に何も思いません)それでも、書きたいことがありました、学生時代は。

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書きたいことがなくなった会社員時代 - なぜ?

しかし、社会人になってからは、書きたい気がしぼんでいきました。

友人もそうでした。例えばFacebookについて言うと、相変わらず綺麗な食べ物の写真を載せたりするのが好きな人もいましたが、なんだかつまらない投稿が増え、全体的に投稿している人の数も減ったなと感じました。これはFacebook利用方法のトレンドが変わったとか、単に社会人になってから忙しくなった、なんていうのもあるかもしれませんし、私の「面白い」と感じるハードルが上がったのかもしれません。。あとは、何をするにも組織に所属する身として経験することに躊躇し、表現することに身構えたのかもしれませんが。

会社員時代にもそういう自分には気づいていて、なんだろうこの状態は、年を取ったから感動しにくくなったのかなあ、なんて考えつつ、いやいやこのままじゃいけない!もっとアウトプットしないと!と思っては、そのままでした。

書きたいことがあるのは海外にいるから?会社員を辞めたから?

それがイギリスのEmbercombe生活が始まってからは、書くことを意識していたのもありますが、どんどん書きたいことが出てきて、日々心が動いている気がしていました。書きたいことがないのは年のせいでもなかったのです。その時の私は、自由の身になったから?海外にいるから?と思っていました。

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しかし、そしてプラハに来てから。詳細は控えますが、また書く意欲が落ちました。満足していない自分に気がつきました。プラハの街はとても好きなのですが、ここでの活動に対し、感情が動きませんでした。母にも、「仕事の話をしないからそんなことだろうと思ってた」と、ズバリ見抜かれていました。ひぇー!

Embercombe時代は悩ましいこともあったし、逆にプラハ生活が辛いというわけでもなく、うまくいっているとか、いっていないというのが理由ではないと思います。

不満の原因は明らかで、ここは求めていた環境ではなかったと思い、何か他のところへ行くことはできないかと、代わりの環境を探したりしていました。

ただ、これを書いている今は状況が少し変化して、学びも感じられるようになり、また書きたいと思えることが出てきたので、このままいようかなと思っています。

書きたいことが出てくる日常に身を置くように

そんなわけで「それを人に伝えたいほど感動しているか?」という点は、今後何をすべきか、どういう生き方をしていきたいか考える際の判断基準になるかなと思うようになりました。

ただ、これはきっとたくさんお金をかける必要もなくて、万人にとって心揺さぶるものでなくてもよくて。街のおじさんとの会話で書きたい欲が出てくるかもしれないし、それが自分にとってどういう意味を持つのかというところにあると思います。

今、自分なりにピンときたことをしてはいるものの、きっと自他共に認めるこれこの先どうなるんだろう状態です。でも、自分の心がざわざわするものに触れていけば、先も見えてくるかなと考えています。

そんなことを書きたい気になる、日曜の夜。センチメンタル〜(≖ ‿ ≖)

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プラハにおける子どもへの音楽教育

プラハはとてもいい街で、私も休みの日はちょこちょこ出かけています。中でも音楽の街ということでクラシックのコンサートは日本よりはるかに安い値段で聴けるので、気に入っています。

先日はチェロのコンサートがあるということでチェコフィルハーモニーの拠点ともなっているルドルフィヌム(音楽公会堂)に行ってきたのですが、なんだか様子が変。あれ、、親子連れ多くない?!と思っていたのですが、案の定、「これはコンサートではない、ワークショップだ」と言われてしまいました。

そんなこんなで、コンサートが聴けないことになって残念な気分になっていたのですが、せっかくなので親子に混じってそのまま参加してきました。トラブルから始まった今回のワークショップですが、意外と気づきが多かったので書いておきます。

子どもがいたら、音楽と親しんでくれたらいいなと思う人は多いと思います。でも、多くの大人にとって、クラシックや弦楽器は敷居が高いものではないでしょうか。 ここ音楽の街プラハでは、子どもの頃からそうした芸術に触れる機会が多くあるようで、またそのため子どもが退屈しないようなプログラム構成の工夫も感じられました。

1. 子供の注意を引く

まず、チェロ奏者の4人組の登場。誰もが知って胃るクラシックの曲を、挨拶がわりにメロディー部分だけ何曲か弾いてくれました。

ちなみに彼らは'Prague Cello Quartet'という4人組で、2016年は日本でコンサートもやっていたみたいです。クラシック出身で、チェロの腕は折り紙つき。コンクール受賞者などもいるようです。

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2. 少人数のグループになる

この日、子どもが30人ぐらいいたでしょうか。全部チェコ語でやってたので雰囲気しかわからないのですが、多分名前のアルファベット順によって3組に分けられ、うち2組はどこかに行きました。私は何が起こっているのか最初わからなかったので、とりあえずその場に残りましたが、後で、グループ分けされて順番に3種類のワークショップを廻っていくのだとわかりました。

3-1. チェロの音に触れる

さて、私はまずチェロ奏者らによるワークショップの班になりました。ここで彼らはチェロがどんな音を出せるのかを紹介していきます。救急車、パトカー、エンジン音…何の音ですか?と聞かれ、子どもたちも、聞いたことある音だ!と次々手を挙げて答えて行きます。

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私が小学生の頃も、学校に何かの音楽隊かバンドのようなものが来てくれた覚えがありますが、整列された椅子にじっと座って聞かないといけないものだった記憶があります。しかしこの時は、開始早々に子どもたちはクッションへ。そして紙とペンを渡されたと思っていると、奏者たちが優雅に演奏している間、何やら下を向いてペンを走らせています。。まるで聴いてないぞ!癒し効果狙い?と思っていたら。

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どうやらこれは、演奏を聴いて、そのイメージを絵に描いてみましょう、というものだったようです。そして子どもたちの絵を見ながら、演奏家の方たちも、「これってどういうイメージだったの?」なんてコミュニケーション。「あ、これはきっとこういう感じの音の部分でしょ」なんて弾いてみせたり。楽しそうです。 

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それから、チェロを弾いているフリをして、大きな声でチェロのように歌います。「お父さん、お母さんもみんなやってくださいね!!」と言われたのか、大人も一緒に「ヒィイィイイイイーーーー」と、チェロになりきっていました。ちなみに奥のブロンドの女性が司会の方だったのですが、多分歌か何かされてるんじゃないかと思います。びっくりするぐらいいい声でチェロになりきっていました。

3-2. 工房を訪れて職人の話を聞く

チェロと親しんだ私たちが次に向かったのはコンサートホール内の地下でした。控え室らしきところやカフェ?があったり、こんな場所があったのかー、とちょっと新鮮でした。そして扉の奥に通されたのは、気難しそうなおじさんと楽器の数々!

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ちょっとここはあまり何を言っていたのかわからないのですが、これはコントラバスだよー、とか、楽器の修理についてとか、楽器の話などなどをしていたように思います。こんなところに入れるなんて、とってもいい経験だなと思います。チェコ語がわかればよかったのに!!

3-3. 模型を作ってチェロの音の鳴る仕組みを学ぶ

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そしてこちらは楽器の仕組みを学ぶワークショップ。穴の開いたプラスチックカップが用意されていて、そこに紐を通し、紐を振動させて、弦楽器が鳴る仕組みを伝えています。こんな簡単にできるのか、なるほどなるほど〜。

4. 模型を使ってチェロと共演し、演奏に改めて親しむ

そして最後にまた全員集合。作った楽器と一緒に演奏しましょう!と、みんな舞台に上がります。美しいチェロの演奏、そして司会のお姉さんの、ハイ!という掛け声とともに、ギーコギコ〜♪とコップチェロをやるのは、音としては無茶苦茶なのですが、子供も大人もとっても楽しそう。

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会の最後には、ジェームズボンドのあの曲を通して弾いてくれました。HPに動画が載っていました。かっこいいです。この日の一連のプログラムを経て、子供達も皆、座って聞いていました。

youtu.be

こうやって、導入から始まって、音の楽しさに触れて、メンテナンスや理論っぽいことも職人から話を聞いて、音の仕組みを勉強して、実際にチェロと合わせて自分でも弾いてみて、そして最後にホンモノを知る…

こんな経験したら、きっと自分もあんな風に弾けるようになりたい!とか、楽器っておもしろいな!と思うようになることでしょう。これでチェロを学んだとは言えないかもしれませんが、楽しかった経験はきっと心に残って、それが次のやってみようにつながるのだと思います。日本でもこういうのがもっと身近にあるといいのにな、こういう場作りがしたいなと思います。

※ちなみに予約ページには親子向けとか子ども向けとか書いてませんでした。。なぜだ、、他にも間違えてきていた人もいたので、紛らわしい書き方ではあったと思いますが、学びがあったので、よしとしましょう!