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生米プロジェクト

会社退職→結婚→夫は日本に置いてイギリスでゲル生活→現在プラハ

Embercombeとシューマッハカレッジを比較してわかったこと

先週は以前にも書いた、シューマッハカレッジの「Becoming Indigenous」というコースの学生たちが、Embercombeの「Journey」というコースを受講するためにまたやって来ていました。3ヶ月の彼らのコースもあと残すところわずかのようで、このJourneyというプログラムは、そんな彼らが今後歩む道を探すための、総まとめのようなものです。

hikapoo.hatenablog.com

Embercombeとシューマッハカレッジは、自然との共生、パーマカルチャーというところで共通点があり、地理的に近いことからもよく交流があります。プログラムの受け入れはもちろんですが、同僚ボランティアの中にもここでボランティアしていたという人もいますし、Embercombeのボランティアをした後にシューマッハに行ったという人もいます。Embercombeに来る前に日本で日本でも有名になってきていますし、同期ボランティアのジョスも1月からシューマッハでボランティアをするから見に行くということで、私も一緒に行って来ました。

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リッチに自然と学びを深めるシューマッハ

とても綺麗なところで、Embercombeのように自然と共生しながら生活し、かつ学ぶところなんだなと思いました。こじんまりとした学校で、大学院大学ということもあるかもしれませんが、とても静かな時間が流れ、学生層も高めだからか落ち着きがあるなという印象でした。もちろん若い人もいましたが、30代〜50代くらいの人で、本当にこれが勉強したい!と思って来ているんだろうなという人が多く見られました。

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あとは、、やっぱり施設などを見ていると、Embercombeより断然お金があるなということです!!ご飯もベジタリアンで、校内で育てている野菜を使用してはいますが、たくさん買ってもいるなという感じ。おやつにはナッツとチョコチップのクッキーがあって、これは毎日らしい。ナッツとチョコチップだなんて、Emberbcombeではあり得ないことだ!ゴージャス。もちろん高い学費を払っているのであまりに粗末でも納得できないかと思うので、当然かもしれませんが、Embercombe人の私にはとってもうらやましく思えたのでした。。

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エネルギーのぶつかり合うEmbercocmbe

そんなシューマッハカレッジを見た私たちでしたが、やっぱりというかなんというか、これは行く前からなんとなくわかっていたことですが、Embercombeとシューマッハ、似ているようなこの2つの団体ですが、私が求めているのはEmbercombeなのだなということがはっきりした見学でした。

シューマッハ大学院大学ということもあり、学問を学ぶという場所であるから当然ですが、やっぱりきちんとした場所です。一方でEmbercombeはというと、子どもがたくさん来るし、未完成で発展途上でカオスです。そしてこれが私の大事にしたいものなんだろうなと思います。これはまだ自分の年齢もあるかもしれませんが、もう少し自分は強いエネルギーがあるところに惹かれます。元々自然や農業というところが私の関心ではなかったので、これはそんなに驚くべきことでもないのですが、よりはっきりと自分の好きなことがわかったのがよかったです。

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こういう話をEmbercombeにしたら、私も似たようなことを思った、と言われました。そしてその人曰く、シュタイナーの「精神(Spirit)、心(Soul)、体(Body)」という概念のうち、精神と心を重視しているのがシューマッハで、心と体を重視しているのがEmberombeだと思うわ、と言っていて、なるほどなと思いました。

またある人は、「Embercombeのいいところはそのアマチュアイズムだと思うんだよね。誰も専門家なんていなくて、すっごく何かに秀でた人もいるわけでもなくて、でもだからこそみんなが気軽に自由にいろんなことに取り組めて、自分もやってみようかな、って思ってやってみれる環境があることだと思う。」と言っていました。私もここへ来て、みんなほどではないかもしれませんが、いろんなことにチャレンジできました。下の写真はクワイアーですが、大学にいた頃はクワイアーって素敵女子だけのものな気がして、できませんでした。でもこちらではおっさんでもキーが外れていても、行きたい時だけでも全く構わなくて、みんなでただただ楽しく歌っています。

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はてさて、Embercombeを訪れていたBecoming Indigenousの人たちのプログラムの話に戻りますが、今回の夕食は彼らのコンセプトに合わせ、ルーツを辿るを意識したメニューとなりました。1日目は旧石器時代、2日目は新石器時代、3日目はローマ帝国時代、4日目は植民地時代後、5日目は未来の食事…ということでした。

この取り組み、キッチン担当だった人が面白いからということで昨年のBecoming Indigenousの人がJourneyでやってきたときに思いついてやってみたらしいのですが、これが好評を博して今年もやってくれとリクエストされたそうです。こんな風に自分のアイデアが気楽に形になると、またいろんなことをやってみたくなる、そんな気持ちになるだろうなと思います。

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今回のメニューどうしようかなあ、とキッチン担当の人がボヤいていました。そこで私は、「未来の食事はジョークと啓発を兼ねて、タブレットかグミのお菓子でもお皿に乗せて最初に出してみたら?」と言ってみたところこれが見事採用されました!

「100年後の未来、人類はすべての栄養素を含むピルの開発に成功しました。緑が健康野菜、赤がジューシービーフ、青がブルーベリーアイスクリームです。」とのメニュー説明から始まったディナーはなかなか好評でした。私もまたひとつ、アイデアを考えてやってみるって楽しい!という経験をさせてもらいました。

すごいオーガニック料理の専門家がいるわけではないけれど、こういうところがEmbercombeの魅力であり、こういうことの積み重ねが「人を育てる」なのだろうなと思いました。

 

Embercombe:同期ボランティア紹介

 9月末から始まったEmbercombeでのボランティアですが、同時期に3ヶ月のプログラムを始めた他7人のボランティアがいます。ここへ来て2ヶ月しか経っていませんが、毎日のように顔をあわせる彼らとは日々いろんなものを共有しています。

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8人の同期たち

  • シオ:46歳、男。元ナース。家族の崩壊などもあったりしてか、あまりコミュニケーションはうまくない。なんと言ったらいいか、鬱というか優しく不器用な男。皿洗いをさせたら誰も止められない。
  • ケイト:ゲルメイト。個人的には1番好き。バーで歌っていたり、アメリカやカナダで働いていた。明るく優しいお姉ちゃん。35歳だけども、小柄でいつも賑やかだからか欧米人にしては珍しく若く見える。
  • ケリー:マイペース。後日書くかもしれないけれど、このマイペースさのためにバトルに発展した(現在停戦中)。自称フォトグラファーだが、活動状況については不明。7月にEmbercombeでボランティアを始めた彼氏のベンのところにやってくる形でボランティアに参加。そのためゲルではなくベンとともにキャンピングカーに住んでいる。31歳、女。
  • ディッテ:デンマーク人、30歳、女。ソーシャルワーカーの勉強をしたけれど、なんか違うな、と思ってここへ来た。自分の感情にとても正直で、喜怒哀楽がとても激しい。Embercombeに来る前に彼氏ができ、当初とても不安定で、それこそとんでもない子だったが、最近は落ち着いている。 
  • ルイ:8年間の兵役中は、イラクへの2回の派兵経験あり。アフガニスタンへ行くことになりそうになった時に除隊を申し出。退役後、精神的に不安定になり、アルコール&ドラッグ中毒になってしまった模様。現在は中毒症状などからは脱しているが、今もPTSDと思われる症状に苦しんでいる。タトゥーだらけのいかついヤツだけれど、ここへ来る前は子供達向けのボランティア活動に従事していたりと、基本的には明るく楽しい男。もうすぐ8歳になる息子がいる。ケイトのことが好きだが、やんわり断られている。(私はどちらとも親しく、どちらの話も聞いていて、私は2人とも大好きだが、ルイにはなんとも言えない。)29歳、男。

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  • ジョス:29歳、男。ネイティブアメリカン文化に傾倒していて、思った以上に入れ込んでいる。明るかったり自分の世界に入っていったり、壁を感じることが多かった。Embercombeにかける情熱もものすごく高く、Embercombeでの3ヶ月プログラム終了後、滞在延長させてもらうために自分をアピールすべく、時間外でワークショップを開催したりと、ギラギラしていた。しかし、2名の延長枠に対し彼含む3名が応募。結局ルイとシオにその座を奪われてしまった(正直二人とも心身に問題を抱えていたので、この決定にはみんな少し驚いた)。彼がえらいのはここからで、それでも変わらずみんなに時間外、むしろ以前より人当たりがよくなった。
  • キロラン:23歳、女。文学部を卒業して、ちょっとゆっくりするためにここに来た。本を読んだり草木でツリーを作ったり、絵本の中から出て来たのかと思うような可憐さを持ち合わせつつも、「高校の頃はヌードにハマってて、授業でやって見せたのよ!」などという肝の据わったロンドンっ子。同期の中では1番若いけれどもたぶん1番落ち着いている。というより少し皮肉っぽい。こちらへ来た当初は嫌でしょうがなかったのだと思うが、最近は笑顔も多くなった。
  • わたし:日本人。日本の会社に勤めていたけれど、いろいろ目的はあるらしいが、つまるところ日本を出たくなり、ネットで見つけたEmbercombeに行こうとイギリスまでいきなり飛んで来た。下手くそな英語ながらもなんとか頑張っている。日本に夫を置いて来たらしいが、夫婦共々どうなっているのだとみんなからの疑問を買っている。28歳、女。

普段の様子

今のゲルで一緒なのはケイト、ディッテ、キロランです。ディッテは10時半にはたいていベッドに入ってしまい、さらに寝るときは寒いぐらいの方がいいということで、夜型のケイトと私(といってもみんなほぼ12時前には寝る)と生活時間が合わず、さらに彼女が寝静まろうかという時に薪ストーブに火をつけようものなら不機嫌な寝返りの声が聞かれます。

彼女としては、10時頃には火を止めて、寝床につきたいぐらいなのだそうで、これについて彼女から目をむくような勢いで「25度なんかになったら、私苦しくて死ぬの!寒かったらたくさん着ればいいけど、暑くて死にそうなのはどうにもならないでしょ!」と訴えられましたが(体格もいいので迫力もある)、私たち3人としても何が楽しくて零度を下回ろうかというゲルで寒さに震えながら寝られようか、というところなので、これについては「でも寝付けないし、あなたは先に寝るからいいけど、、」と勇気を振り絞って弁明しました。25度で人は死なないよ、とはとても言えなかったけれど。

ということもあり、ディッテは隙あらば一人で寝られる場所を探し回るようになったり、各自訪問者があったりと、最近はあまり4人揃いません。このところディッテはプライベートも落ち着いて来ているからか、薪ストーブで失敗して激暑にならなければ4人とも気持ちよく寝られるようになりました。

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私が普段よく話すのはケイト、ルイ、シオです。ジョスも気が合ってよく話していたのですが、途中から宗教がかっていたり、周囲への強い自己アピールなど、極端なところがしんどいなと思うようになってしまいました。ただ、延長ボランティアの話がうまくいかなくなってから、彼も少し穏やかになったような気がしています。本来はモチベーションが高く真面目な才能溢れる人だと思います。

休みの日は10kmほど離れたExeterの街に誰かの車に乗せてもらって買い物に行ったり、この秋はDartmoorという自然公園にたくさんキノコ狩りに出かけました。日本と違ってあまり山地はなく、だだっ広い草原に放牧された家畜がたくさんいる、というのがこちらの景色です。

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他にも以前から滞在している先輩ボランティアや有給スタッフもいますが、同時期に始めたこの8人とは特に笑いあり涙あり、喜怒哀楽忙しい毎日です。会社員になってから、大学のときみたいに友達ってなかなかできないなあ、という話をしたことがあるのですが、そのとき言われたのが「それはきっと、一緒に何かをするような、同じ濃い時間を過ごさないと手に入らないよ」と言われたのを覚えていますが、久々にまたこの先も友達でいられるような人が増えたことがうれしいです。

実はこの記事はここへ来て2週間ほど経った頃に書き始めてそのまま下書き状態にしていたのでした。今それを開いてみると、当時は「ちょっと掴めない」なんて書いていたのですが、この2ヶ月でみんなのこともよくわかるようになったなとも思いました。一方で、短期間で得た印象もそのままだったりと、それはそれでその人を知る上でもまた面白いものです。

http://embercombe.org/

正しくわるいことをする ー廃棄食材を求めてー

今週、日付も変わろうかという頃、スーパーに潜入し、盗みを働いてきました。この年になって、こんなことするなんて、思ってもみなかった。。

 

事の発端は先週Embercombe外で行われた、同僚ボランティアの誕生日祝いのホームパーティ。バンに乗り込んだ私たちは、とあるサービスエリアに駐車しました。ここで私が言われたのは、「トイレには行ってもいいけどお昼は買わなくていいよ。あるから」でした。え?と思ってしばらく待っていると、大きな袋をサンタのように抱えた二人。開けてみると、二袋まるまる、賞味期限切れの食べ物たち。

これどうしたの?と今日の収穫をしてきたアダムに聞いてみると、「廃棄食材用のゴミ箱から拾ってきた。ここのエリアのには詳しいから」とあっけらかんとした答え。

サンドイッチやパックのエビ、野菜にお菓子など、それはそれはたくさんの食べ物を手に入れた私たちは嬉々として食べました。私はゴミ箱からとってきた!?ということに一瞬ギョッとしましたが、食べていると不思議と感じたのは爽快感。ちょっと悪いことしてるけど、捨てられてしまったお肉や野菜を無駄にしてない!!という。結局パーティでもこのゴミ達が大活躍し、みんなで美味しくいただきました。

ゴミを盗んでも、違法にはならない

聞けば、一緒にいたフランス人形のようなかわいい女の子も、「私がロンドンに住んでたときもほとんど食べ物は買わなかったよ。いつもスーパーのゴミ箱から拾って食べてた。だってもったいないもの。普段はベジタリアンだけど、捨てられたお肉は食べるの。これは私が食べないといけない、という気がして」と。Embercombeには他にも何人かやったことがある人がいて、一般的ではないものの超特殊ということもない様子。(※ただし、Embercombeの人は多分一般的なイギリス人ではない)

 

そうか、これはカルチャーなのか、そうなんだな!と思った私は今アダムに色々と聞いてみました。 

彼曰く、「普段は肉は買わない。高いし、バカみたいな生産〜流通形態にお金を落としたくないから。大学にいた頃に始めて、当時は毎日のようにやってたよ。法律?曖昧なところで、違法にはならない。訴えた人もいるらしいけど、結局ゴミをとられても文句は言えない、って判決が出た。結局これやって誰も逮捕された人なんかいないんだ。人の所有地に入るのは良くないけど、出ていけって言われて出て行けばそれも違法にならない」とのこと。

おおお!と感動した私。今でもたまにやるの?次やるときは是非連れてって!とお願いし、それが冒頭の通り実現しました。

家族よ!すまぬ!こんなことしてる娘を妻を許して〜!と思いつつ、そろそろと夜の街へ。終業時間後のスーパーの屋外にある、大きなゴミ箱。まだきれいな野菜や食べ物などを見ていると少し悲しくなりました。アダム曰く、今日はあまりたくさんとは言えない収穫量だったようですが、それでもリュックにたくさん詰め込むくらいありました。

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暗闇の中、呼び止められる私たち

少しの高揚感を覚えつつ車に向かっていたところ、「おい!」と言われ、心拍数急上昇!そこに現れたのは警察…!ではなく男女二人組。

男「おい、さっきお前らがスーパーに入ってくの見たぞ。でもあんまりなかったろ?今日は俺たちがちょうどお前らの前に行ったからな。でもちょっと取りすぎたのもあるんだ、よかったら交換しないか?」

うわ。。なんて偶然。。でもやっぱり普通にこちらの一部の人のカルチャーみたいです。この二人も、よほどほしいものがない限り食材は買ったりしないそう。このエリアにいくつか行きつけがあって、たまに出没しているということでした。この行為、'Skipping'と言い、こういう生活をしている人はこの国には一定数いるようですが、別に彼らは貧乏でお金がないからこれをしているわけではありません。

やってみて、違法ではないと言いつつも、自らのイデオロギーや怒りをこうも強く持ち、それに対するアクションを貫く彼らのエネルギーは、日本人の私にはなかなか真似できないことだなと感じます。なぜこうなるのか、ここまでするのか、それは今の私にはわかりませんが、ひとつ思うのは、やっぱり圧倒的に彼らは日本人に比べてヒマなんじゃないかということです。ヒマというと失礼すぎるけれど、すべてに余裕があるような。

 

結局アダムと男は情報交換(&電話番号交換。今後いいものがあったら連絡し合うことになったらしい)し、私たちは興奮冷めやらぬうちにEmbercombeに戻りました。

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各国ではどのように捉えられているか

デンマークには賞味期限切れや傷物食材を専門販売するスーパー「We Food」があったり、フランスでは食材廃棄を禁ずる法律ができ、寄付や家畜肥料にしなければいけないということになっているようです。これに比べればイギリスは遅れているかもしれませんが、人々の意識という意味では日本よりも関心が高いのではないかと思います。

日本の場合はというと、上記のリンクにもあるように草の根レベルの活動はあるようですが、まだまだみたいです。年間1900万トンもの食材が捨てられ、私もこれを機に日本ではどうなっているのかと気になって調べてみたしたが、ホームレスに漁られないようにと踏み潰して捨てたりしているみたいです。

浮浪者がお店の周りにやってきたらあまりいい気分はしないだろうなというのはわかりますが、もし自分が店員だったら、そうやって食べ物を踏み潰していくうちに、それがどこから来ているのかにますます頭を働かせることができなくなるような、命をいただいている感覚などますます希薄になる気がするなどと、ゴミの朝食を久々のお肉だ!と味わいながら考える私でした。

Embercombeで考える、ビジネスとコミュニティとポリシーと

これまでもいくつか書きましたが、Embercombeには様々な個人・団体が訪れ、そう言った人々との交流がここにいる魅力でもあります。先週はサステナビリティ系の民間企業が会社の研修のようなものでEmbercombeを利用していました。ヨーロッパ・アメリカ・南米と各地に散らばるオフィスのメンバーが集まるイベントで、メンバーの親睦を深め、企業方針を浸透させる目的だそうです。私はたまたまこの企業(A社とします。)のホストという役割をすることになり、彼らの滞在をサポートすることになっていました。

世の中によりよく持続可能な変革をもたらすため、様々な業界の大小様々な企業に対しクリエイティブなコンサルタントをしている会社ということで、何となく面白そうな会社だなと楽しみにしていました。私も前職時代に何度かA社のような社内グローバルミーティングに参加したことがありますが、毎度いろいろな議論あり、発見があり、そしてただただ夜が更けるまで飲み踊る…というものでした。一般企業でこうなので、A社がEmbercombeとコラボしたらどうなるのかとワクワクしていました。

 

ところが蓋を開けてみれば、A社ほどがっかりした気分になったことはないくらい、残念な印象を多くのEmbercombeの人に残すものとなってしまったのです。

 

物議を醸すこととなったA社の滞在

A社の3泊4日の滞在の最終日、土曜日の朝。タクシーを見送った私はなんとも寂しい気持ちに包まれていました。きっと彼らはEmbercombe滞在を楽しみ、モチベーションに溢れ、世の中にプラスの影響を与えるような(少なくともそういう自意識でいる)人々なはず。しかしなぜこんなにも今私は後味の悪い思いでいるのだろうと、眠気の残る頭で考え始めました。

Embercombeの1日は、朝から始まり13時に昼食、キッチン担当でなければ17時には業務が終わり、18時半に夕食となっています。その後清掃担当がキッチンの掃除をして、遅くとも皆21時には仕事が終わります。ところが初日はA社の19時過ぎの到着に対し、窯焼きのピザを提供することになり、一人一人の注文を取っていると、すべて終わってみれば23時となっていました。

その後も13時の昼食の時間になってもミーティングが長引いて30分ほどの遅刻があったり、夜もマッチで暖炉に火をつけられないと言って終業後のボランティアらに不遜な態度で助けを求め、ブン取られるようにライターを貸してみたら返ってこない。夜中は飲み会となり、ゲルの周りで遅くまで騒いでいる…

最終日こそEmbercombeのスタッフもA社の人とケーリー(スコットランドの民俗ダンス)に招待され、その後もクラブ状態で踊っていましたが、最後まで「一緒に楽しむ」というものではありませんでした。タクシーにもさっさと乗り込み、同僚にのみ別れを告げていました。そして残ったのは至るところゴミの山。食べられることなく捨てられてしまった、肉を始めとする食べ物の数々でした。

 

この不快感は何なのか

今回A社の滞在は企業研修の一環ということで、ほとんどEmbercombeとの接点なく去ってしまった彼ら。この場所の意味や意義も、Embercombeが自然や動物をどう考えているかも知ることなく。

そういう彼らにとってEmbercombeは自然に囲まれた、ちょっとキレイでイケてる場所でしかなく、私たちのようなスタッフも、ここを形作るものではなくホテル会場などの従業員と映ったことでしょう。しかし考えてみればこれは多分全く普通の反応で、私もホテルで会議をしたりお店で飲食している時は、同僚以外はあまり頭になかったと思うし、ホテルや飲食店の従業員と同僚と混じってダンスなんてしない、普通。「17時で仕事終わりだから話してくれるなよ」なんてオーラを出されたら、サービス悪いな、と思うと思います。ゲル、電気もないし。

なぜ私は悲しい気持ちになっているのか。A社の人間は、けしからん集団なのか。しばらく考えていると、Embercombeという特殊な環境にいて、特殊な状況が当たり前となっていた自分に気づきました。

 

持続可能なコミュニティとして、Embercombeはどこへ向かうのか

A社の滞在について思うところあったのは私だけではなかったようで、彼らが去ってからミーティングが開かれ、私も参加しました。そこで今後はEmbercombeを選んだ人々にも最大限その価値を還元し、今後の気づきを得てもらうためにも、ただの場所貸しではなく我々のメッセージを伝える時間をいかなる団体とも持つようにしよう、となりました。(あとは、民間企業にお金を払って来てもらうなら、9/17時の就業感覚ではきっと甘いので、夜間シフト担当をつけたり、事前準備ももっと必要、とも。。)なぜゲルなのかなぜ電気がないのか、そういう話をしないならここでなくてもいいはずです。 

Embercombeは、あまりお金に余裕がある団体とは言えません。財政的にももっとサステナブルにするため、今変革の時にあるところです。今後はA社のような民間企業の滞在をより多く受け入れていきたいと考えているようです。しかしEmbercombeがEmbercombeとしての意義を全うし、かつコミュニティと共存しながらビジネスを回していくには、もっともっと考えていかなければならないところがあります。そこにポリシーがなければ、Embercombeがそのミッションを成し遂げられることができなくなります。

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Embercombeでの私の業務内容は、決して華やかなものではなく、掃除や修理、汚れ仕事のようなものが多くあります。しかしそれに対して私が喜びや満足感を感じていたのは、私がそこから得ていた一緒にいる人々からのポジティブな反応や幸せな時間の流れによるものだったのだと、改めて気づきました。この場所の価値をまた一つ感じるとともに、自分の周囲の労働に従事している人をどのような気分にさせるかも、また私の振る舞い次第なのだということにも、身につまされるような思いです。

 

 “Embercombe’s mission is to be a powerful and innovative catalyst for the emergence of leaders and change agents who will take courageous action for a just, peaceful and sustainable world.”

embercombe.org

Embercombeでの仕事 - 夢を見るしごと -

Embercombeでの仕事は、キッチンでの調理・農作業・掃除といった、コミュニティが生活を回していく上で必要な仕事がありますが、中でもユニークなのが「Dreamer」という仕事です。

これは「Being(ありのままであること)」そしてできれば「自然とのつながりを感じる」という時間で、毎日1人が半日この仕事の担当になります。何をするかは全くの自由で、その結果を翌日の朝の会でみんなに共有することになります。日常から距離を置いて、「何もしないでいい、何をしてもいい」という時間を最大限意識的に使う時間です。詩を書く人もいれば、絵を描いたり、単に感じたことをつらつら述べるだけの人、何かすごいことをしようと思ったけれど、結局何も浮かんでこなかったという人もいます。

私はこれまで2回このDreamerの仕事をさせてもらいましたが、1回目はEmercombeに来たばかりの頃でストレスも溜まっていたのか、どんよりした曇り空が私の心も暗〜くしてしまい、とんでもなくマイナス思考しか浮かんできませんでした。しかしそれをそのままメンバーに共有したところ、正直でよかった、という反応が得られました。

今週の2回目は、私も随分慣れてきたのか、とても落ち着いて過ごすことができました。シェアしたところ結構ウケたので、せっかくなのでここにも書いておきます。

Dreamerとしての午後の時間、「結局Beingってなんなん?自然とのつながりってどういうこと?どうなる?」を真剣に考えようと、最適な場所としてEmbercombeにあるとても見晴らしの良いコンポストトイレで、2時間座って考えました。日本語で全て書くのはとてもお恥ずかしいので、概要だけ書きます。いや気になるという知的好奇心旺盛な方は、メモ程度ですが英語版も見てみてください。

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コンポストトイレでBeingについて考える、自然とのつながりを感じる

●なぜコンポストトイレなのか

(※コンポストトイレ:排泄物を栄養分として循環させるシンプル&エコトイレ)

  • 'Being'及び'自然とのつながり'について熟慮した
  • 見晴らしが良く、動物を観察でき、自然にむき出しの環境
  • マズロー欲求段階の三角形の最下辺にあるような人間の欲求、特に3大欲求のような原始的欲求が、コンポストトイレで過ごすことで最も満たされやすいと考えた。(EmbercombeでのDreamerとしての就業時間内では)
  1. 睡眠:検討の余地はあるが、今回の観察という目的には相応しくないかも
  2. 食欲:観察可能
  3. 排泄:一部可能

●一般的な発見:3大欲求に限らない、観察中における発見

●食欲:体の反応、ものを食べることについて

●排泄:排泄の結果、自分の感じ方

●終わりに:人間、考える葦。コンポストトイレ、自然界に我々を導く扉

いや詳細も気になる、という知的好奇心旺盛な方は、メモ程度ですが英語版も見てみてください。
  

これは特に、結論!というものではなく、私が就業時間内に上記のテーマに対して感じたこと、考えたことです。こちらに来て、アートではないのですが、答えのないもの・途中で終わるもの・感じ方や考え方を委ねられているものに接することが多くあります。最初はとても気持ちが悪かったのですが、そういうものを愛することもまたおもしろく、意味があることだと思うようになりました。 

私が何かすることになったら、自分の職場にも、Dreamerという仕事を取り入れてみたいです。

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Being in the compost toilet: Feeling connections with nature

  • Why compost toilet?
    • Think about ‘being’ and ‘connections with nature’
    • Human’s 3 primitive desires defined by Maslow's triangle, can be satisfied by staying in the compost toilet
      • Sleep: Could be good, but may not be suitable for this observation
      • Appetite: Observable
      • Excretion: Wee - probably, poo - if possible, intercourse - no partner

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  1. Findings in general
  • Unnatural Sounds: Cars, airplanes, helicopters, pounding metals with hammers, chain saw
    • Uncomfortable. Why? Probably because they are unnatural sounds?
    • However, they are originally made from natural resources from the earth, then what differentiates ‘natural’ and ‘unnatural?’ - chemical bonding?
  • Approach of creatures:
    • Human: Felt alarmed and interested by footsteps and voices. Wonder if they are friends or foe.
    • Fly: I ignored. Feel of repulsion.
    • If cat?: Cute. If Reptile?: Weird - Difference: Familiar or not/Mammal or not
  • Temperature: Cold. I put my jumper on because there is a jumper. But if not, like an animal, what would I do? Adjust my body temperature or make myself hairy. In reality, we won’t be like that anymore. Evolution or devolution?
  • Being the same posture: Tired. Changes are important. For body, and the same as life

    2. Appetite

  • Had bread with sugar and raisons: Sugar makes me happy. I get thirsty.
  • Vegetarian: If we could hear the voice of vegetables, would we avoid eating them?
  • Being thirsty: My mouth got sticky, I take some tea, movement of my mouth got smooth.

  3. Excretion

    • Wee - Releasing unnecessary materials for my body. Feel happy and safe.
    • Fart - Stinky, but the smell was ceased by the wind and time. Smell is, good or bad, just  a chemical bonding.

     4. Conclusive words

  • Having a pen, I think, I imagine, this is showing that I am a human being, we are the thinking reed. Compost toilet - gateway to the natural field.

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恐怖体験!Breath Work

Embercombeにはカウンセラー、コーチという人がいて、健全なEmbercombe生活を送れているかのチェックのため、全スタッフとボランティアは月1回面談することになっています。Embercombe外のスタッフに、中の人には言えないことがあれば相談しなさいよ、という目的です。

かつ、ボランティアはボランティアコーディネーターという役職のボランティアと、これまた月1回面談し、活動上の支障がないか話し合う機会があります。

かなりこまめに心身ともに健康か、かつEmbercombeでの生活に満足しているか確認してもらえる、これはなかなか手厚いことだと思います。

 

さて先週金曜は、そんなカウンセラーのティナによって開催された「Breath Work」というイベントがありました。Embercombeにはこういう風に、各人がそれぞれのバックグラウンドを生かし、毎日のように業務外でいろんなイベントがあります。

事前に、呼吸を意識して、よりリラックスして、より自分を解放するようなもの、という説明を受けました。枕と布団を持ってきてね!と言われたので、さぞ深呼吸を通し快適な時間を過ごすんだろうと思ったら!!!

 

大間違い!!

 

 

 

目を閉じ、横になる。

 

 

ティナ「お腹で息を思い切り吸って、吐いて…途中で何か問題があったら静かに手を挙げてください」

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「ああああああああああああアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

「ウォッフォフォフォフォォォオーーーーーウォッフォフォウォッフォフォォォオーーーーー

 

 

 

 

な、なんやこれは!

 

私の横にいた二人は叫び笑い始めました。

 

なぜこんなに彼らがトチ狂ったように叫ぶのかわからない私。う、うるさい、そして気持ち悪いし呼吸に集中できないっ!!

 

出て行く人も。。でもここにいたい気もする!!!!でもダメだ横の二人!こんなヤツらに挟まれて最悪だ!!

 

私は手を挙げました。

 

私「すみません、音楽を聴いてもいいですか!」

助手「いいえ、できるだけ呼吸に集中して」

私「無理です!だってあいつらうざすぎる!!!」

 

というわけで、普段は控えめな私も主張しまくり、必死の思いで音楽を聴く許可を得ました。

 

な、何聞こう、、、でも呼吸法の時間ならポップスとかロックは違うよな、、、しかも長時間携帯を触らずに済むといえば、、やっぱりここはこう、クラッシックか!!ラフマニノフとかにしとくか!!

 

普段はクラッシックとはあまり縁がなく、聴き始めても長い協奏曲などには飽きてしまい、集中が途絶える私。きちんと全部聞いたことがありませんでした。

 

叫び声から逃れられるならと、とりあえずイヤホンを耳につけた私。目を瞑り、ダイナミックな演奏が流れ、よし、集中できるぞ、と思っていましたが、しばらくするとどんどん大きく、そこかしこから叫び声が聞こえるようになり。。こ、こわい、、

いや、でもダメだ、でもダメだ、こんなことでどうする!集中しろ私!集中だ!集中!!!音量を上げ、なるべく曲に集中していると、目を閉じればそこはラフマニノフの世界、曲調の変化にストーリーを感じるように。叫び声と相まって、宇宙の中にいるように感じました。。

 

しばらくすると、終わりが来ました。長かった、、疲れた。

 

ふと見渡してみれば、泣いている人、うずくまる人も。みんなで感想を言い合っていましたが、手足が硬直するように痺れた人も何人かいました。

 

なんだったんだ、、と思いましたが、どうやら叫び声については途中で「できればリラックスして、声を出してみて」というアナウンスがあったようです。そうとも知らず私はクラッシックに浸り恐怖に怯えていたのですが…

 

以前にも参加した人曰く、自分も最初は驚いたし、変な気分になった、とのことでした。毎回感じ方が違うのだそうです。

 

これって呼吸関係あるのか…?と言いたくなりますが、感じ方はおそらく他の人と違いましたが、私の今回の発見としては、クラッシックの聴き方、楽しみ方に少し触れられたかなということでした。すごくすごく強かったのですが、これはこれでよしとします。。

シューマッハカレッジのプログラム

前回の記事ではシュタイナー学校についての記事を書きましたが、先週1週間はEmbercombeと関わりの深いもう一つの代表的な機関、シューマッハカレッジの学生がBecoming Indigenousというプログラムの一環でEmbercombeを訪れていました。

www.schumachercollege.org.uk

サンダンス:自然復活と和平祈願の儀式

Embercombeの創設者、Mac Macartneyは20年ほどネイティブアメリカンの師事を仰いでいるほど強い関心を持っているのですが、今回はネイティブアメリカンラコタ族の講師がやってきて、サンダンス(Sundance)という儀式をEmbercombeで行うというものでした。この講師の親子、ロレッタとリンダは1870年代に白人たちと彼らの土地を巡る争い、ブラックヒルズ戦争で戦ったラコタ族の有名な戦士を祖先に持ち、現在世界中でその文化や歴史について普及活動をしています。(ところでこの戦争、とてもアホらしい)

私は基本的にはプログラムに参加していたわけではなく、普通に働いていたので全貌を見たわけではないのですが、彼らの5日間のEmbercombe滞在は、昼間はラコタ族やネイティブアメリカン、サンダンスといった儀式についての講義を受け、真夜中にスウェット・ロッジという蒸し風呂のようなもので体を清める、ということをしていたようです。

 

そして最終日の金曜日、Embercombeのメンバーもメインの儀式、サンダンスに招待され、私もちょっと覗いてみようと思って行ってきました。

 

場所は、Embercombeにあるストーンサークル。これはEmbercombeの創設間もない頃に関わっていたネイティブアメリカンによって要求されて作ったものだそうです。Embercombeの中で神聖な場所とされていて、私たちも1週間の研修の最後の日にここを訪れ、Embercombeの中で見つけた自然のものを火にくべながら自分たちの決意を口にしました。(その後感極まり、今夜は寝袋を持って来て、みんなでここで寝よう!と寝ていたら、大雨に降られ真夜中に退散、なんてこともあったけど)

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今回のサンダンスは、ロレッタの友人であるイギリス人の友人が癌にかかり、その回復を祈念する、というものでした。火を囲み、真ん中にネイティブアメリカンの親子、癌の男性、Embercombeのマック、今回プログラムのEmbercombe側コーディネーターを務めたネイティブアメリカン文化に心酔している同期ボランティアのジョスが祈りを捧げ、その周りを私たちが囲みました。本来のサンダンスのようにピアッシングとして体を痛めつけるということはありませんでしたが、プログラムの受講者らは皆顔にフェイスペインティングを施していました。

儀式そのものは、ラコタ族の言葉で何かを唱え、何度も火にくべた薪の煙を使いながら男性への祈りを捧げるという、非常に静かなものでした。私たちにも、リンダがその煙を振りかけていました。

 

ネイティブアメリカンカルチャーをありがたがる西洋人

Embercombeには、その様々な魅力に対し、様々な目的を持って来ている人がいますが、ちなみに私はスピリチュアルなものに特別興味があるわけではありません。なので、ネイティブアメリカンの超自然的なパワーというのにも、「ふーん...(-_-)」というくらいでした。むしろ、ちょっとそういうのを崇める集団に気持ち悪さを感じていたくらいです。(日本にも、「スピリチュアル」だとか「オーラ」について書いてあるHPやパステルカラーなブログ、ありますよね。)

 

この儀式を通して感じたのは、ネイティブアメリカンの文化に対する尊敬でしたが、一方で全くの白人であるマックとジョスがわかったように祈りを捧げることには失礼ながら違和感と少しの滑稽さを覚えました。

以前にもスイス人の知り合いが、ネイティブアメリカンカルチャーを取り入れた研修?に心酔している話をしていて、怪しいな〜〜と思ったことがありました。私にはどうしてそこまで彼ら西洋人がネイティブアメリカンに惹かれるのかよくわからなかったので聞いてみたところ、あるEmbercombeの人曰く「イギリスの、そして多くのヨーロッパ文化はローマ帝国支配によって全て破壊され、本来存在していた土着の自然と人間との関わりや文化が失われてしまった。そのことから、自分たちには喪失感というものがどこかにあり、そのためによりネイティブアメリカンカルチャーのようなものに自分たちが探しているものを感じるのだろう」ということでした。

しかし結局ネイティブアメリカンカルチャーは西欧人のものではなく、彼らが完璧に理解できるものでもなく、そして彼らがそこに自らの拠り所を探しても見つからないもので、しかもそれはもうどこにもなく、ある種の哀れさも感じました。一緒に見ていた友人は「かつて征服した我々とネイティブアメリカンが抱き合う姿に感じるものがあった」と言っていましたが、自分にはない感覚です。

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そして意外にもこの一連の儀式や彼らとの滞在で感じたのは、もっと日本の文化を勉強しないとな、大事にしないとな、ということでした。

 

リンダは3月に彼女の母を亡くし、長かった髪を切ったと言っていました。

先日みんなでもののけ姫を見たことがあったのですが、アシタカが祖国から旅立つとき、黙って髪を切るシーンがあり、皆になぜ髪を切ったのだと聞かれました。こだまが出てきたときには、みんなにとってはかわいいもの、おもしろいものにしか見えなかったようで、クスクス笑っているばかりでした。森の中にいる存在として、彼らにはリアリティを持って感じることができなかったのでしょう。

彼らは食事のとき、「Spirit(魂)にあげるので小さなお皿に食事を分けてください」と言っていました。欧米人は感銘を受けていましたが、待てよ、うちのばあちゃんちにも神棚があってご飯普通に置いてたじゃないかあ、とふと思い出したり。

神棚なんて、私の記憶から遠く消え去りそうになっていましたが、改めて自分たちにもきちんと理解しておかないとな、残しておかないといけないことがあるなと思った次第です。

そういうことか、ネイティブアメリカンよ。